カタルシス


Catharsis

「精神の浄化作用」

「心の中に溜まっていた感情が解放され、気持ちが浄化されること」

「抑圧された感情や体験を言葉や行動として外部に表出して、心の緊張を解消すること」


日常生活で人間関係に少し疲れたとき、旅に出たくなる。


旅先でわたしが撮った写真には、人があまり写っていない。

なぜ人が写っていないのか、その理由を考えると、旅での撮影行為自体が、

わたしにとって解放と浄化という役割であるからのように感じる。


非日常空間で、写真を撮ったり、食を楽しむことで、抑圧された日常から解放され、気持ちが浄化される。


カメラのファインダーの中では、人間関係を一旦おやすみして、シャッターを切ることで、

解放と浄化に集中しようとしているのかもしれない。


そうして粛々と切り取った被写体には、直接的な人の姿は少ない。

それでも、ノスタルジーなものに惹かれるのは、人恋しく懐かしさに浸りたい気持ちがどこかにあるからだと思うし、

平面的・規則的な被写体に惹かれるのは、安心感や信頼感を無意識に求めているからかもしれない。


2016.11

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